お墓の花は何本供える?1対・2束の意味と数え方

お墓の花は何本供える?1対・2束の意味と数え方

お墓に供える花の束の数は、花立てを見れば決まります。左右に2つあるお墓なら、2束。1つしかないお墓なら、1束です。この2束で一組を「一対(いっつい)」、片側だけの1束を「一基(いっき)」と呼びます。

迷うのは、そのあとです。1束に何本入れるか。3本、5本、7本と奇数にするのがよい、という説明はどの解説にも出てきます。ところが根拠をたどると、足元が急にゆるくなります。浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、曹洞宗、日蓮宗、天台宗。六つの宗派の公式サイトを順に開いて花の記述を探しましたが、本数を定めた文は一つも確認できませんでした。

代わりに、本数をはっきり決めているものがありました。花立てそのものです。石にあける穴は40ミリから60ミリ。落とし込み式の筒なら内径44ミリから55ミリ、深さは60ミリから130ミリほど。この器に、茎の太い花を7本挿そうとすれば入りません。1本だけでは、筒の中で傾きます。

本数の話は、作法である前に器の話です。お墓参りの流れそのものはお墓参りの基本と当日の流れにありますので、ここでは本数だけを掘ります。まず、束の数え方から。

束の数を決めているのは、花立ての数

お墓の花立ては、墓石の左右に1つずつ、対で据えられている形が多く見られます。私たちが施工でうかがう霊園でも、2つ並んでいるお墓が大半です。ただし1つだけのお墓もあります。

まず、自分の家のお墓の花立てがいくつあるか。出発点はここです。

一対は2つで一組、一基は片側だけ

供える花の数え方には、葬祭の業界で使われている単位があります。小さなお葬式のコラムは、供花のカウント方法を「1つ供える場合が『1基(いっき)』、2つ供える場合が『1対(いっつい)』です」と定義しています。

一対と言えば2つ。1つなら一基です。「対」は左右そろった一組を指す単位で、2つでひとまとまりと数えます。

では、一対とは何本の花のことでしょうか。本数ではありません。束の数です。片側3本ずつの花束をそろえれば合計6本、片側5本ずつなら合計10本という数え方になり、束の数と花の本数はまったく別の数字として動いていきます。ここを「2本」と受け取ってしまうと、花屋の店頭でも通販の注文画面でも噛み合わなくなります。

「2対そろえる」と書かれた案内を見かけたら

この単位の取り違えが、実際に起きています。閲覧数の多い墓地ポータルのいいお墓には、「お墓参りでのお花は、お墓の両側にお供えできるよう2対同じ花束を用意するのが通常です」という一文が載っています。前後の文脈から、書き手が言いたいのは左右に1束ずつ、つまり一対です。ところが「2対」と書けば2組、束にして4つ。字義どおりに受け取ると、倍の量になります。

同じ表記は、そこから引き写したとみられる複数のサイトにも広がっていました。読むぶんには実害がありません。ただ、花屋に「2対で」と伝えれば、そのとおり4束が用意されます。

迷ったら、単位を使わずに言えば済む話です。「左右に1つずつ供えたいので、同じものを2束ください」。これで取り違えは起きません。

花立てが1つのお墓もある

片側にしか花立てがないお墓も、珍しくありません。区画の狭い都市部の墓所、横長の洋型墓石、共同の花立てを使う樹木葬の区画。いずれも1つだけという形があります。

仏具の並びの側から見ると、この違いには根拠があります。浄土真宗本願寺派は、お仏壇のおかざりについて「普段は三具足(ローソク立て、香炉、花瓶各一具)のところを、できれば五具足(ローソク立て一対、花瓶一対、香炉一具)にします」と書いています。三具足なら花瓶は1つ、五具足なら一対。曹洞宗も「下段には向かって左側より花立て、香炉、ロウソク立ての三具足を置きます」と、花立て1つの並びを示しています。

1つか2つかという器の数は、こうした荘厳(しょうごん。仏前を整える形式)の側で決まっている部分です。そこに何本挿すかは、どちらの記述にも出てきません。三具足(さんぐそく)というのは、燭台・香炉・花瓶の三点を一組にした仏具の並びで、花瓶が一つなら三具足、一対に増やせば五具足と呼び分けます。器の数はこの形式の側で決まっていて、そこに何本挿すかは別の話です。

3本、5本、7本。この数字がどこから来ているか

本数について、ほとんどの解説が同じことを書いています。3本、5本、7本。奇数にする。偶数は避ける。文言まで似通っていて、「かつては偶数が陰数、奇数が陽数といわれており、割り切ることが出来ない数字は縁起がよい」という説明が、複数のサイトにほぼ同一の形で載っています。

では、この説はどこから来たのでしょうか。たどれたのは、途中までです。

陰陽の考え方は、たしかに古くからある

奇数を陽、偶数を陰とする数の見方は、古代中国の陰陽思想に由来するものとして広く知られています。三月三日、五月五日、七月七日と、奇数が重なる日を節句として重んじる習わしも、この考え方の延長線上にあります。数の感覚として根づいていること自体は、事実です。

ここまでは、争う余地がありません。

仏花の本数と結びつけた記述が、見当たらない

問題はその先です。陰陽思想の奇数と、仏前に供える花の本数。この2つを結びつけた記述を、宗派の公式サイトに探しました。見つかりませんでした。あとで一つずつ見ていきますが、六宗派のいずれも、本数そのものに触れていません。

つまり「奇数は陽数だから仏花は奇数」という説明は、前半だけが古く、後半へつなぐ部分の出どころを確認できませんでした。仏教の教えとして説かれてきたのか、生花の商習慣から来たのか、それとも生け花の構成の考え方が仏前の供花に流れ込んだのか。この三つのどれなのかを決められるだけの材料が、今回の調べ方では集まりませんでした。

広く行われている習慣であることと、宗教上の決まりであることは、別の話です。この記事では前者として扱います。

4本と9本を外す習慣について

偶数のなかでも4を避け、奇数のなかでも9を外す、という話もよく見かけます。これは語呂合わせで、慶弔の場面全般にある忌み数の習わしです。病室の番号や贈り物の個数でも、同じ配慮が働きます。

仏教の教義がこの2つの数を禁じているかどうかは、確認できませんでした。気になる方は外せば済みますし、気にしない方はそのままで差し支えありません。

数の縁起については、線香にも似た事情があります。何本立てるか、寝かせるか立てるか。宗派ごとの作法はお墓の線香の本数と供え方にまとめてあります。

六つの宗派の公式サイトを開いて、花の本数を探した

決まりがあるかどうかは、宗派が何を書いているかを見るのが早道です。先に挙げた六つの公式サイトを、順に開きました。結果から言います。花の本数を示した記述は、一つも確認できませんでした。

三具足の並びは書いてある。本数は書いていない

浄土宗は、お墓参りの手順を公開しています。掃除のあとの流れとして「お花、お線香をあげ、墓石に水をかけ」と書いています。花を供えること自体は手順に入っている。ただ、何本かは書かれていません。

浄土真宗本願寺派は、前に引いたとおり三具足と五具足の構成を示しています。花瓶が一具か一対か。器の数までは定めていて、そこから先がありません。曹洞宗も同じで、三具足の並び順は明記されているものの、花立てに挿す本数の記述は確認できませんでした。

墓石に水をかけるかどうかのように、宗派によって公式の書きぶりが割れている論点もあります(墓石に水をかける作法)。花の本数は、割れるほど書かれていませんでした。

墓前には樒をと書く宗派がある

天台宗は、法話のなかでお墓参りの作法に触れています。「墓参りの際、燈明・線香・お花(三具足)をお供えします」としたうえで、菊や百合もよいが樒(シキビ)を忘れずに、と勧めています。

ここでも本数はありません。ただ、この一文は数え方そのものに関わってきます。樒(しきみ)を供える形では、花束のように何本と数える感覚が薄れるからです。一方、浄土宗のお墓参りの説明は「きれいになったらお花、お線香をあげ」までで、何の花をどれだけという話には入っていませんでした。

花の作法のページ自体を見つけられなかった宗派

真宗大谷派の公式サイトでお内仏のお給仕について読みましたが、花や華瓶の扱いを説明した箇所を見つけられませんでした。日蓮宗の生活についての問答も同様で、合掌の意味やお勤めの説明はあるものの、花に関する記述には行き当たりませんでした。

これを「決まりがない」と読むのは、少し急ぎすぎです。公式サイトに載せていないだけで、宗派内の手引きや各寺院の指導では別に案内されている可能性が残りますし、そもそも一般向けのページにどこまで書くかは宗派ごとの編集方針の問題でもあります。確認できたのは、公開されている範囲に本数の記述がなかった、という事実だけです。

ご自身の家の宗派で気になる点があれば、菩提寺(ぼだいじ。先祖代々のお墓があるお寺)に伺うのが確実です。電話一本で済みます。

花屋と僧侶の言うことは、少しずれている

作法の側から本数を定めた記述が見つからない一方で、花を売る側は、この件をどう扱っているか。両者の言葉には開きがあります。

「本数による制限はない」と、僧侶に確かめた花屋がある

金沢市の正花園は、仏花と墓花のページで、店に寄せられる声への答えをこう書いています。「よく『奇数が良い』とか『偶数はダメ』というお声をお聞きしますが、お寺のご僧侶様などにお尋ねしたところ、本数による制限はないとのことでした」。そのうえで、デザインの面では奇数のほうがバランスを取りやすいとされるとしながら、「4本でお作りした仏花であってもきちんとバランスはとれます」と添えています。

同じ趣旨の記述が、仏具の販売元にもありました。お位牌Makerは「奇数(3・5・7本)が伝統的」としたうえで、「厳密な決まりではなく、本数に制限はないとする住職も多くいます」と書いています。

どちらも、奇数がよいとされること自体は打ち消していません。打ち消しているのは、守らなければ失礼にあたる、という部分です。

業界は、本数で売っていない

店頭と通販の売り方を見ると、この温度差が形になって表れています。

お供え花の専門通販では、商品が「一対(2束)」と「ひと束」の単位で並び、価格はサイズで分かれます。花以想の販売ページはS、MS、M、Lのサイズ展開で、各商品に何本入りという表記がありません。同じページには「花立てひとつのお墓に」と説明された、ひと束の商品も出ています。

スーパーやホームセンターの仏花束も同じです。袋に本数が書かれていることはほとんどなく、開けてみると3本から5本程度が入っている。数えて買う商品ではないのです。

本数に厳格な決まりがあるなら、業界は「5本組」と表示して売るはずです。そうなっていません。この事実が、習慣の性質をよく表しています。

店頭で一対と伝えると、何が届くか

注文の言い方だけは、実利に直結します。

店頭で「一対でお願いします」と伝えると、左右対称になる同じ花束が2つ用意されます。「1束ください」なら1つ。ここで「2つください」と言ってしまうと、店によっては別々の花束が2つ組まれ、墓前に並べたときに左右で色も丈も揃わないという結果になりかねません。対で使うつもりなら、その旨を伝えたほうが確実です。

予算の相談も、本数を言わずに束とサイズで伝えれば通じます。「この予算のなかで一対に組んでください」「Mサイズを1束」。こう言えば、店側は本数と丈を決められます。

口径44ミリの筒に、何本入るか

ここからが、現場の話です。

お墓の花立ては、思っているより小さな器です。京都の宝善院は、花筒の選び方についてこう説明しています。石にあける穴は「一般的なお墓の場合では40ミリ~60ミリ」で、「40、45、50、55、60ミリと5ミリ刻みのものがあります」。筒はそれより「1~2ミリ程度小さなものを選びます」。

60ミリの穴なら58ミリか59ミリの筒。40ミリの穴なら39ミリの筒。同院が紹介している筒では、径49ミリのものに深さ95ミリから200ミリまで5段階の設定があります。

落とし込み式の内径は、だいたい44から55ミリ

墓石に落とし込んで使うタイプの花立ては、内径44ミリ、48ミリ、53ミリ、55ミリあたりが実売サイズです。深さは60ミリから130ミリ程度で、お墓によってさまざま。卒塔婆屋さんが公開しているサイズの一覧に、この範囲が示されています。

内径50ミリというのは、五百円玉より少し大きいくらいです。ここに花を挿していきます。茎の太さは花によってずいぶん違います。輪菊のように茎の太いものばかりを選べば、数本で口が埋まってしまう。細い茎を混ぜれば、もう少し入ります。

では、7本は入らないのでしょうか。入るお墓もあります。茎の細い花を選び、下葉を落として茎まわりを整えれば、7本でも収まります。ところが太い茎のものばかりで7本そろえてしまうと、筒の口の手前で茎どうしが押し合ってしまい、力を入れても最後まで挿し込めないという事態になります。「7本が正しい」と決めてから買いに行くと、この壁に当たります。

深さが足りないと、丈の長い花は倒れる

本数の下限は、深さのほうから決まります。

深さ60ミリの浅い花立てに、丈の長い花を1本だけ挿すとどうなるか。支えるものがないので、傾きます。3本、5本と増えていくと、茎どうしが筒の口で支え合って立ちます。「3本だとぐらつく」という説明がお墓の解説記事に出てくるのは、この物理が背景にあります。

買ったままの長さで挿すと、たいてい長すぎます。私たちが現場で整えるときは、花立ての深さの2倍から3倍ほどの丈に切りそろえます。深さ100ミリの花立てなら、地上に出る部分が20センチから30センチ。墓前に立って見たときの姿も、このあたりで落ち着きます。

丈を詰めれば、同じ本数でも重心が下がって安定します。本数を増やすより先に、切る。

風の強い霊園では、少ないほど抜けやすい

高台の霊園、海に近い区画、造成地の吹きさらし。風が通る場所では、供えた花が抜けて散らばっていることがあります。

宝善院は、この現象と花筒の形の関係を書いています。「直径の深い花筒や、深さが短い花筒の場合では、高台などの風が強い霊園では、供えた花が風で飛ばされて抜けやすくなります」。対策として、「花の下側を数本折って、クサビのように」筒の内側へ引っかける方法を挙げています。

本数が効いてくるのは、ここです。1本や2本では、筒のなかで遊んでしまう。5本ほど束にして挿せば、互いに押し合って抜けにくくなります。風の強い霊園なら、少なめより多め。作法の話ではなく、抜けるか抜けないかの話です。

自分の家の花立てを、一度測っておく

私たちは全国638か所の霊園・寺院で、これまでに1,985件のお掃除とお参りの代行をお受けしてきました。花立ての形は、本当に一様ではありません。ステンレスの内筒が落とし込んであるもの、金属の筒がねじ込んであるもの、石に直接彫られた穴だけのもの。同じ霊園の隣り合った区画でも、据えられている筒の深さがひとまわり違っていて、同じ丈に切った花が片方では立ち、片方では沈んでしまうことがあります。

ですから、いちばん確実なのは、次にお参りへ行かれるときに定規を1本持っていくことです。内側の直径と、底までの深さ。この2つを測ってメモしておけば、花屋で「これくらいの筒に入る束で」と伝えられます。スマートフォンで筒の口を撮っておくだけでも、店では十分に通じます。

左右で本数が違っていても

そろわない日は、実際にはよくあります。片方の花だけがしおれている。買った花が余った。前に供えた花がまだ残っている。

片側だけの形は、商品として売られている

片方にしか花を供えないのは、失礼にあたるのでしょうか。失礼にあたるとする記述は、宗派の公式にも霊園の規則にも確認できませんでした。

終活アドバイザーの榊氏は、終活の窓口で「片方だけに花を供える『一基(いっき)』のスタイルでも、仏様やご先祖様に対して失礼にあたるわけではないのです」と書いています。「お墓参りの際、花を一つだけ持参することは問題ありません」とも述べ、一対にする習慣は根強く残っているものの、必ず守らなければならないというほどのものではない、という立場をとっています。

仏具の側からも同じです。お位牌Makerは「花立が1つの仏壇(三具足)なら、1束で正式です」「一対でなければ失礼、ということはありません」と書いています。

そして前に触れたとおり、「花立てひとつのお墓に」と銘打った1束の商品が、実際に流通しています。市場が異端として扱っていない。これはなかなか強い裏づけです。

揃わなかった日のこと

墓前に立つと、両側で本数がそろっていないお墓を見かけることは珍しくありません。前に来られた方の花が片側に残っていて、そこへ新しい束を足す。ご親族が別々の日にお参りされているお墓では、こうして少しずつ左右が非対称になっていき、それが何か月も続いていることがあります。

これを直さなければならない、という決まりは確認できませんでした。すでに供えてある花がまだ元気なら、抜かずに横へ足す形で問題ありません。しおれているものは、墓地の決まりに従って下げます。

余った花は、持ち帰って自宅の仏壇や玄関に飾る方が多いようです。入る分だけで十分です。

決まりより先に、墓地の運用がくる

本数より優先されるものが、ひとつあります。その墓地のルールです。

生花を持ち込めるか。供えた花を置いて帰ってよいか。下げ花の置き場があるか。このあたりは霊園ごとに運用が違います。置いて帰れない墓地なら、本数を抑えて持ち帰る前提で組んだほうが扱いやすい。共同の花立てしかない区画では、そもそも束の数を選べません。

初めて伺うお墓や、何年ぶりかのお墓なら、管理事務所か寺務所へ電話で確かめておくと当日が楽になります。掃除の段取りとあわせた確認の要点は、お墓の掃除とお参りのマナーにまとめてあります。

地域によって、数え方の前提から変わる

花の種類そのものの選び方はお墓参りの花の選び方にまとめました。本数の感覚は、全国で同じではありません。何を供えるかが違えば、数え方も変わります。

樒を立てる地域

関西では、花より樒を丁寧な供物とする見方が残っています。千葉県市川市の和泉家石材店は、関西の樒の扱いについて「関西ではしきびは葬儀に欠かせないもので、墓地ではしきびの束が一年中売られているほどです」と書いています。

樒を供える形では、3本、5本と数える感覚が薄れます。束のまま立てるからです。天台宗の法話が墓前にシキビをと勧めていることは前に触れたとおりで、こちらは宗派の側から前提が変わる例になります。

ただし、これを「関西では」と一つにまとめるのは行き過ぎです。出どころとして確認できたのは石材店1社の記述で、同じ関西でも家や寺によって扱いは違います。お住まいの地域の墓地の入口で何が売られているかを一度見ておくと、その土地でどう供えられてきたかが、どの解説を読むよりも早くつかめます。

沖縄では、花立ての脇に葉を添える

沖縄の墓前は、もっと前提が違います。公益財団法人沖縄県メモリアル整備協会は、地域の習わしをこう説明しています。「沖縄のお墓参りでは、お花と合わせて『供え葉』を飾る地域もあります。チャーギ・クロトンの葉、クバ(ビロウ)の葉やソテツの葉など、沖縄に自生する植物の葉を、花立の両脇に飾る家などが多いです」。同協会は、供え葉に「お墓や霊域を清める」意味合いがあるとしています。

花と葉を組み合わせるのですから、本数を数える単位そのものが本土と噛み合いません。

決める順番は、器、運用、気持ち

ここまでの材料を、決める順番に並べ直します。

最初に器です。いくつ据えられているかで束の数が決まり、内径と深さで1束の本数の上限と下限が決まる。次に、その墓地の運用と、家や地域の習わし。最後に、奇数にそろえたいかどうかというご自身の気持ち。この順で決めていくと、迷う場面がほとんど残りません。

奇数を先頭に置いてしまうと、器の制約とぶつかったときに行き場がなくなります。順番を入れ替えるだけで、話がずいぶん楽になります。

花以外もあわせて整えたい方は、お墓のお供え物の意味と作法もご覧ください。

そして、お参りに行くこと自体が難しい時期もあります。102名にご依頼の理由をうかがったところ、いちばん多かったのは「しばらく行けてなくて気になっていた」で52.9%でした。そういうときは、お墓参りの代行という手もあります。花を供えるところまでお引き受けする内容は、ご依頼の流れとお墓参り代行のサービス内容と料金にまとめてあります。

お墓の花の本数についてよくある質問

お墓の花は、結局何本にすればよいですか

花立ての内径と深さで決めるのが、いちばん確実です。内径44ミリから55ミリという一般的な落とし込み式であれば、太い茎の花で3本から5本、細い茎を混ぜて5本から7本というあたりが、挿したときに倒れもせず押し合いもしない範囲になります。奇数にそろえたい方はそろえてください。宗派の公式サイトに本数の定めは確認できませんでしたので、そこは決めてよい部分です。

スーパーで売っている仏花を、そのまま供えてもよいですか

差し支えありません。仏花束は3本から5本程度で組まれていることが多く、そのまま花立てに収まる丈と量になっています。ただし丈が長いまま挿すと重心が上がって風で倒れやすくなりますので、花立ての深さに合わせて茎を切りそろえてから供えるほうが、そのあとが安定します。

花立てが1つしかないお墓では、1束で足りますか

足ります。1つなら1束。これで整った形です。三具足の並びを示している宗派の記述でも、花立ては1つで書かれています。

片側だけ本数が多くても、失礼になりませんか

構いません。そろえなければならないという記述は、宗派の公式サイトにも仏具の解説にも確認できませんでした。見た目を整えたい方は同じ本数にすればよく、片側に前の花がまだ元気な状態で残っている日は、そちらを抜かずに反対側だけ新しくしていただいて差し支えありません。

4本や9本は、やはり避けたほうがよいですか

語呂を気にする慣習は広くありますので、気になる方は外してください。仏教の教義がこの2つの数を禁じているかどうかは、確認できませんでした。金沢の正花園のように「本数による制限はない」と僧侶に確かめたうえで書いている花屋もあります。

花立てに入りきらないときは、どうしますか

本数を減らすか、茎を細く整えるかの2つです。下葉を落とし、太い茎は斜めに切ると入りやすくなります。それでも入らなければ、余った分は持ち帰って自宅に飾ってください。押し込むと筒の口を傷めます。

宗派によって本数は変わりますか

六つの宗派の公式サイトを開いて確認しましたが、本数を示した記述は一つも見つかりませんでした。器の数は書かれています。一具か一対か、という区別です。ご自身の家の宗派や地域で決まりごとが伝わっている可能性はありますので、気になる場合は菩提寺へお尋ねください。

花立ての前で、本数を数え直したことはありますか

最初の問いに戻ります。お墓の花は、何本供えるのがよいのか。

調べてきたことを並べ直すと、こうなります。束の数は花立ての数で決まる。一対は2束、一基は1束。1束の本数を3本、5本、7本と奇数にする習わしは広く行われているが、六つの宗派の公式サイトに本数の記述は確認できなかった。花を売る側は本数で売っておらず、僧侶に確かめた花屋は「制限はない」と書いている。そして実際に本数を決めているのは、内径44ミリから55ミリ、深さ60ミリから130ミリという、あの小さな筒である。

作法として定まっている部分は、思っていたより狭いのです。決めてよい部分のほうが、ずっと広い。

墓前で花を挿すとき、たいていの方は本数を数えていません。筒の口に入るだけ挿して、向きを少し直して、水を足す。それで手が止まります。数えているのは、たいてい花屋の店先か、家を出る前です。

次に行かれるときは、定規を1本持っていってください。内径と深さを測ってメモしておけば、その日から本数の迷いは、作法の問題から買い物の段取りに変わります。奇数にそろえたい方はそろえればよく、そうでない方は入る分だけで足ります。どちらでも、供えた花は同じように咲いています。

お墓掃除
代行プラン

27 , 500 円 ~ 税込

墓石清掃・雑草除去・お花・お線香
実施後の報告書(写真・コメント付)

  • お墓1基、区画1坪、営業所から1時間以内の交通費含む

受付時間/平日10:00~18:00(土日祝休業)